「帰ってきた野獣」 藤田和之
vs
「HYPER ウルトラ MEGA パンク」 ジェームス・トンプソン
ホントに野獣が帰ってきた。
「魂のぶつかり合いだった」試合後のインタビューで藤田はそう答えた。
セコンドにケンドー・カシンを従えての入場。仕事がなくなったのならHERO'Sに出ないでPRIDEに出てくれ。
リングイン直後は若干の緊張感を隠せない様子の藤田。
なにしろ久しぶりのPRIDE。
その面持ちを保ったままゴングが鳴らされた。
お互いに向かい合った時に対角差が歴然としているのがわかった。
藤田 183cm 107kg
トンプソン 195cm 125kg
おまけに藤田はリーチが短い。
1R後半藤田が下のガードポジションになったがトンプソンがでかいので余裕で顔面にパンチが届いた。
圧倒的に不利と言える状況だが経験が違う。と、言いたい。
ひたすら殴り続けて殴られ続けて。
テレビに映っている観戦客は生唾を飲み込んでじっと戦いを観ていた。
とちゅうカメラに血がつくほど殴り会う二人。
見た感じ藤田のパンチは当たっていない。かなりヒット率は低かった。
トンプソンにしてみたら”パンチが当たっている”という感触はあったに違いない。
なのに倒れない。せいぜい鼻血が出ている程度だ。
そりゃ疲れるのも当たり前だ。
攻め疲れが目に見えてきたところで藤田のパンチが1つ、また1つと当たりだした。
観客席の気温はよりいっそう高まる。
そして藤田のパンチがクリーンヒットしたと同時にトンプソンがマットに沈んだ。
観ているこっちも熱くなる。技術云々ではなく、ホントに魂のぶつかり合いを見せてもらった。
これがPRIDEだと感じる試合だった。この日では一番迫力があった試合だ。
観客全員がスタンディングオベーションだったのはいうまでもない。
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